アラフォー往復書簡 vol.15 TIME TRAVEL byイシワタマリ | Yama Yama Art Center

ども!
ご無沙汰してます。

なんか、この往復書簡、特にテーマが決まっているわけでもないはずなのに(だからこそ?)、書き始めるとだいたい同じ話がループしてんのよ。自分こわい。

さっき長めにあれこれ書いてみたんだけど、ほぼ前と同じようなこと書いててうんざりしたんで消しました。

今日夫に、「たぶんマリちゃんが先に認知症になると思う。でも悪いボケかたはしなさそう。」って言われました、そうかもね。そうなるときへ向かって今着々と準備をしてんのかもしれない。

父方の祖母は70代になりかけたあたりから認知症になったのですが、その息子である父は60代後半で発症して、けっこう進行も早かったので施設に入りました。ごく最近の話です。
だから、血筋的にいっても私は早々に認知症になってもおかしくないっていうのもあるし、性格的にも、正直子どもの頃からずっと忘れっぽいので、そもそも判断つきにくそうね。認知症なのか、痴呆(昔の呼び方)なのか、ただの性格なのか、それとか精神疾患なのか、とかってたぶんほんとうは分類はどうだってよくて、人間、若いうちからストレスで自分をいじめずに、自分なりに自分を解放する落としどころを工夫して生きていくことが大事なんじゃないかなって思ってる。大事じゃないことを忘れるのは能力でもあるし。削ぎ落とされていきたい。

認知症になると、壊れたレコードみたいに同じくだりをループする。ああ、この人にとってこのフレーズが大切なんだな、人生のこの時期の記憶が光ってるんだな、とわかるので愛おしくもある。でも、その段階に至る前の、インプットする能力が衰えて壊れたレコードに近づいていく中年期の感じも最近、だんだんとわかってきた。(生まれて育って年老いて死んでいく、つくづく人間っておもしろいなという話です。)歳をとることの特徴のひとつは(もちろん個人差あるけど)、だんだんどうでもよくなってくることなんじゃないかな、と思う。どうでもよくなってきているにも関わらず、「慣れ親しんだもの」に執着し、馴染みのないものをインプットするのが難しという特徴もあるような気がしてる。いいとか悪いとかじゃなくて、歳をとっていくってそういうものなんじゃないかなと思う。

なので、インプットできるできないに関わらず、若い人の声に耳を傾けられるお年寄りになりたいなと、今そのことを思います。まだどうでもよくなってない人たちがそこにいるのだから、自分がどうでもよくなっているのであればこそ、その人たちの想いを潰す存在になってはならないなと思う。曲がりなりにも人の親である私や歌子でいうならば、いちばん身近な若者は我が子たち。もしそれ以外にも若い人と接する機会があるときはなるべく自分の中のロジックを捨てて聞いてみたほうがいいって最近思ってる。「へえ!そういうこと思うんだ」「そういう視点で考えてるんだ」と発見がある。親として&人生の先輩として説教たれたくなってしまう場面は多々あり、実際何か言ってしまうときもあるけど、たぶん的外れてると思う。流行歌も言っているように「うっせぇ うっせぇ うっせぇわ」ということだと思う、うっせぇ側が私ね。それを気をつけようと思う。今の私があるのは、若い私の話を頭ごなしに否定せずに耳を傾けてくれたたくさんのお年寄りの人たちのおかげだと思うし。

ああ、そんなわけで、自分より歳上の人と接することも歳下の人と接することもタイムトラベル感があっておもしろいなって最近思います。日日是異文化交流、日日是旅。

お手紙へのお返事になってるのかなってないのか微妙な話題となってしまいましたが、返事書こうと思って始めたらなんか毎回と同じループになっていたので、ループ現象そのものについて書いてみました。

おやすみなさい。

 

イシワタマリ

山山アートセンター代表、美術家。1983年横浜市生まれ、福知山市在住。慶應義塾大学で「スピリチュアリティにまつわる社会学」を学んだのち、2007年から2009年にかけて、スペイン北部バスクやベルリンで絵画やパフォーマンスなどの創作活動を行う。2015年以降、京都府北部~広く山陰地域=「このあたり」を舞台に、さまざまな人が力を持ち寄ってとにかく生きようとするプロジェクト「山山アートセンター」構想を展開。2018年より高齢・障害・児童の複合福祉施設Ma・ RooTs(みねやま福祉会/宮津市)広報兼アートコーディネーター。
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    展覧会『逡巡のための風景』(2019年/京都芸術センター)から始まった、イシワタマリの覚え書きあれこれ。
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