【合宿ツアーによせて_イシワタマリ版】たいせつなものは外から見えない

「福祉とアートの噛み合わない合宿ツアー」、参加者を募集しています。
内容の都合上、全行程通し参加には選考があります(一次募集:1/31(金)〆切/二次募集:若干名、開催まで随時)。
各会場単発参加(ご自分で現地まで行き来してくださる方)については選考はありません。

たいせつなものは外から見えない

イシワタマリ

2019年は人前でよく喋った1年でした。人と人が出会い言葉を交わすこと、しかも普段なら出会うことのない人同士が出会ったときに見える新しい世界への関心から「福祉とアートの〝噛み合わない〟トークシリーズ」と銘打って。

さんざん人前で喋り尽くしたあとに痛感したことがあります。
いちばんたいせつなものは外から見えない、ということ。
私たちは気軽に共有したり発信したりできる時代に生きていて、そのこと自体は悪いことじゃないのだけれど、だけどいちばんたいせつなものは外から見えない。
古今東西、至極あたりまえのことなのかもしれません。

「〝噛み合わない〟トークシリーズ」はしばらくお休み。
代わりにもう一歩踏み込んだ「〝噛み合わない〟合宿ツアー」を試みます。
実際に足を運ばなければ見えない何かを、自分とはある程度〝噛み合わない〟人たちと一緒に見てみたい。

ところでツアータイトルの〝噛み合わない〟というフレーズについて。
誤解を招くフレーズです。〝福祉とアートの〟と大風呂敷を広げていることがなお罪深い。
私が強調したいのは「福祉とアートが噛み合わないこと」ではありません。
「おらが村と隣村は違う」「うちの店とあの店では違う」「あの人と私は合わない」・・・。地球のあちこちで、今日も誰かが呟いています。確かに違うのです。確かに合わない。私が言いたいのはそこから先です。何かと何かは必ず大なり小なり噛み合わないということ。噛み合わなさに気づいたときこそがチャンスで、そこから何かが始まるのだということ。

昨今話題の「共生社会」は必ずあなたを傷つけます。「多様性」は必ずあなたにため息をつかせます。そんな時に、噛み合わないけど共にあるという現実を受け止めることで生き延びられるかもしれない、ということ。
これを私は誰よりもまず自分に言い聞かせています。

そして〝噛み合わない〟というフレーズには2019年の山山流行語大賞を与えるとともこのツアーをもって死語として封印したいと考えています。
たいせつなものは外から見えないから。

イシワタマリ

山山アートセンター代表、美術家。1983年横浜市生まれ、福知山市在住。慶應義塾大学で「スピリチュアリティにまつわる社会学」を学んだのち、2007年から2009年にかけて、スペイン北部バスクやベルリンで絵画やパフォーマンスなどの創作活動を行う。2015年以降、京都府北部~広く山陰地域=「このあたり」を舞台に、さまざまな人が力を持ち寄ってとにかく生きようとするプロジェクト「山山アートセンター」構想を展開。2018年より高齢・障害・児童の複合福祉施設Ma・ RooTs(みねやま福祉会/宮津市)広報兼アートコーディネーター。

 

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    展覧会『逡巡のための風景』(2019年/京都芸術センター)から始まった、イシワタマリの覚え書きあれこれ。
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