よりあいみたけサロン/ 古川絵美(作業療法士)

※このコラムは冊子「山山アートセンターをつくる2019 Yama Yama Art Center in Progress」のために2020年3月に書き下ろされたものです。(冊子PDF版はこちら

 

福知山市の山間の里、三岳地区に住む方々の集い・通いの場であるよりあいみたけサロンは、山山アートセンターが主体となって呼びかけを行われており、だれでも参加できる地域交流の場である。
場所は三岳会館。開催日時は毎月第2木曜日。時間は13:30〜15:00の90分程度。主体となる山山アートセンターのイシワタさんをはじめ、川口地域包括支援センターの高岡さんや細見さん、そして私、古川も昨年から参加している。

よりあいみたけサロンの最大の特徴は、参加される地域の方々が、主体的にみんなで楽しみながら創り上げているところだ。サロンには、そういった雰囲気・仕掛け作りがいくつもある。

去年の夏、ある参加者の女性が言った「膝が痛くて下に座られへんわー」の一言から、みんなで「牛乳パックを使った椅子作り」を始めることになった。作り方があやふやなスタッフや参加者の女性達。それを見かね、作り方に詳しい方が助けにきてくれ、それをきっかけに格段に作業が進んだ過程には感動した。そして何より印象的だったのが、スタッフとして参加していた細見さんが「私、すっごく今楽しいです!」と今まで無い胸の高鳴りを言葉で表現されたこと。みんなで一つのもの作るという作業は、一体感をもたらし、感動を与えてくれるものであった。会の終盤、一人暮らしの女性は、「私これ持って帰って家でしてみるわ。」と、作りかけの材料を自宅に持って帰られた姿に、新たな作業の広がりと役割の創出を感じた。

こういった場面を見ながら、ふと思い出した言葉がある。
「人間らしさ」。
かつてアーツ・アンド・クラフト運動の先導者であるウィリアム・モリスは“芸術的な手仕事による美しい日用品や生活空間をデザインし供給することで、人々の生活の質を向上させる”と言った。
三岳の方々の丁寧な作業風景はそんなモリスの発言を連想させた。
これからもサロンに参加される方々のいきいきとした人間らしさ・自分らしさが大切にされる場であってほしい。

 

古川絵美 EMI FURUKAWA

作業療法士。1986年生まれ、福知山市出身。学生時代に怪我をした後、リハビリを受けたことがきっかけで作業療法士に。京都市内の総合病院での勤務を経て2015年にUターンし綾部市立病院に入職。「自分らしく生きる」を支える仕事として作業療法士の仕事の魅力を発信するべく、周囲を巻き込みながら作成した「作業療法士AtoZ」が話題に。現在は医療現場のほかに、綾部市認知症初期集中支援チームでの活動や認知症カフェのアドバイザー派遣事業にも携わる。2019年より三岳地区在住高齢者をおもな対象とする「よりあいみたけサロン」に度々参加。
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    展覧会『逡巡のための風景』(2019年/京都芸術センター)から始まった、イシワタマリの覚え書きあれこれ。
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