アラフォー往復書簡 vol.07 SNSにおける死について by水田ウタコ

 

SNSの世界にずっぷりゆったり揺蕩っているわたくし。2019年令和元年にふたつの大きな死を体験したんです。仮想現実での死と現実の死とを比べてどうこうではないけれども大きくこころに影響しちゃってもう。

ひとつは己の死。
twitterは10年、Instagramも8年ほど嗜み、息吸うようにツイートし、息吐くように写真とインスタ川柳を投稿していた私。数がすべてではないのは承知だけど、投稿数もフォロワー数もそこそこのボリュームでtwitterは10万ツイートを超え、インスタも1万枚以上投稿していた。
ある数値を超えたあたりから、ちょっとしたいわゆるひとつの妬み嫉みみたいなものがなんでか私のところまでやってくる。私、妬まれるような生活してませんけど!?!?と思うも、そういうのに耐性がないので一気にめんどくさくなってきて。そうするともうアカウント消しちゃいたくなってシュタっと削除。結局別のアカウント作ってゆっくり復帰してるけど、前みたいな熱量はまったくなくなってしまった昨今。まぁ、その世界にずっぷしいると、それはそれでとても刺激的で楽しいんだけど、ふと俯瞰すると「なんなんだあの形のない熱狂は…」ってスンっとなる。どっちもいいんだよ、現実も幻想も。

そしてふたつめ。
twitterでいっつもセンスあること言うなーと思って見ていた姐さん。ひょんなことから会話をすることになったところ、なんとその人との共通点がザクザク!私がたまたま病院の待合室で見たテレビに出ていて「この人おもろいなー」と見てた人がまさにその方だったり、そもそも出身地が同じだったり。趣味も同じだったので、わいわい話して刺激を受けていた姐さん。そんな彼女は数年前から病を患っていて、働きながら、全国を飛び回りながらも見えない敵と戦う日々。寛解したり再発したりを繰り返しながら、決して悲観せずつとめて冷静に務める彼女の姿は凛々しくてステキだった。今年の5月、我が一家はタイに飛び、灼熱のバンコクできゃあきゃあ過ごしていたところ、毎日怒涛のツイートをしていた彼女のツイートが2日前で途切れてることに気付く。DMしてもリプしても返事はこない。そこで彼女ゆかりのハッシュタグを検索すると…、いつもは美しいお菓子で彩られたハッシュタグが哀しみと寂しさで埋め尽くされていた。秋には会おうって約束もしたけど実際には一度も会えなかった人。会えなかったんだけどSNS上のやりとりはとても濃密で、本名も知らないけどとても大切な人。あああ、幻想だったのかな?と思うけどこれも現実。

普段付き合ってる人に言えないことも言えちゃうSNS。どちらも本心で建前で表裏一体。SNSでの死と現実の死、人は2回死ぬのかもしれんな。


(一心不乱にナンを頬張る娘の愛おしさよ)

水田ウタコ

家族5人のわちゃわちゃユニット「ミズタマート」のおかん役。1980年広島生まれ。京都と沖縄で大学時代を過ごし、大阪で10年暮らしたのち綾部に移住5年目。20代は大阪で古着屋・ 雑貨屋・バーなどを経営しつつOLもしつつたまに放浪、あれもこれもいろいろやってみる。結婚・出産を機に働き方や暮らし方を模索。現在は某新聞社に勤務しつつ裏日本広域のイベント情報をくまなくチェック、新しいお店ができればとにかく出没、おもしろそうなプロジェクトにはとにかくいっちょ噛み。子ども3人引き連れてとにかくあちこち行脚したInstagram(@utaco_1211)とブログ(ウタコの裏日本道中膝栗毛)がひそかに話題。
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    展覧会『逡巡のための風景』(2019年/京都芸術センター)から始まった、イシワタマリの覚え書きあれこれ。
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