アラフォー往復書簡 vol.10 あ、そうじゃなくて byイシワタマリ

こんばんは!
子どもたちの父親である夫は子どもたちからとても人気があり、それに引き換え私の人気がなさすぎて、今夜は3枚敷いた広い布団の上でひとりで過ごしています。隣の部屋ではせまい布団1枚に夫1人と子どもたち2人が丸くなって眠っています。

前回のお手紙に対するお返事・・・となるとちょっと言葉選びを迷いながら書くのですが、「ひらきなおるしかなさ」で私が言いたかったのはそういうことじゃないというかむしろ逆です。

否定された気持ちとかにならないでね。
余談というか本題というか地雷というかだけど、女子トークって基本「うんうん、わかるわかるー!」が目的らしいんですよね。なので私はたぶん女子以外の何かなんだろうね。「あ、違う違う、それは全然わからないんだけどね、へーあなたはそう思うんだねー私はこう思うんだよー」っていう会話のほうが会話のしがいがあって面白くないですか?面白くないですか?面白くないですか。

ごめんね、私が女子じゃないことを先に謝っておくよ、マジで。

歌子は今そう思ってるんだね!とすればそれはもちろん素晴らしいこととして、「そうじゃなくて私が言いたかったのはむしろその逆です」と思った箇所を以下に抜き出します。

「向き合う」
「逃げない」
「投げ出さない」
「腹を括る」
「死ということについて考えるとついてくる罪悪感とか背徳感」
「いつだって能動的でいたい」

(以下に抜き出します、だなんて久しぶりに国語の授業みたいで恐縮です。)
私が年始に感じた「ひらきなおるしかなさ」って、

「向き合わなくてもいい」
「逃げてもいい」
「投げ出してもいい」
「軽い気持ちでもいい」
「死を意識するとイキイキする」
「ときには受け身でもいい」

みたいなことなんです。
あと、さらに重要なことは

「違っても寂しくない」

ということです。

ちなみに歌子のお手紙読んですぐさっそく「大事マンブラザーズ」を聞いたよね。すごいもの思い出させてくれますがな。なんか脳みそが揺れました。小学生のときスキー合宿で歌ってたなこの歌、もしくはその替え歌かもしれない。

歌子が私に対して言ってることもわからなくはなくて、むしろ私はつねに一生懸命がむしゃらに何かに真っ向から向き合ってるイメージありますもんね、自覚してます。
たぶん、そんな自分に疲れたんだと思います。
ちょっと気が抜けちゃったんだと思います。
今までが生きまくっちゃってた感じだとしたら2020年はぼちぼち力抜いて感覚的にいってみようかなみたいな感じかね。
なんか、もしかして、今気づいたけど、そのまさにぼちぼち力抜いて感覚的にいける人間になったらむしろ「うんうん、わかるわかるー!」みたいな相槌が打てるようになるのかもしれないよね。
今の私がすでに向き合いすぎなんか・・・
パラドクス迷宮入りだわ。

ちなみに先日打ち合わせをしていた某T氏に、山山アートセンターの十八番である「とにかく生きよう」「生きる術としてのアート」みたいな話をしていたら、「あ、僕ね、あんまり生きることにこだわりがないんですよね。明日急に死んじゃったとしても別にいいんですよね。生きてるのがいやだとか死にたいとかつまらないとかそんなんでもなく。楽しんでるんですよ。でも刺激がないと飽きちゃうんですよね。だから僕にはアートが必要なんですよね。」ってなことを言われました。
斬新!って思った。
仏教僧のようです。
「僕はちょっとあなたのそれわからないんですよ」という意味合いの発言だったわりにそれは一周回って「生きる術としてのアート」じゃん!って思ったけど、私はそんな境地にたどり着くことに憧れて、でもきっと無理で、だからそういう、自分とは違う人の話聞いてへーっと思ってるような会話が好きだと思う。

違うってことは大切なことだと思います、何しろ。

 

イシワタマリ

山山アートセンター代表、美術家。1983年横浜市生まれ、福知山市在住。慶應義塾大学で「スピリチュアリティにまつわる社会学」を学んだのち、2007年から2009年にかけて、スペイン北部バスクやベルリンで絵画やパフォーマンスなどの創作活動を行う。2015年以降、京都府北部~広く山陰地域=「このあたり」を舞台に、さまざまな人が力を持ち寄ってとにかく生きようとするプロジェクト「山山アートセンター」構想を展開。2018年より高齢・障害・児童の複合福祉施設Ma・ RooTs(みねやま福祉会/宮津市)広報兼アートコーディネーター。
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